薬用植物の研究

 

沖縄県産柴胡の分析について

柴胡は、セリ科の植物で、肝障害改善、解熱、鎮痛、鎮静、解毒、抗炎症作用等を持つと考えられ、多くの漢方処方に配合されています。

沖縄県では、昭和55年から本県の基幹農作物としての可能性について調査研究を行っており、薬用植物研究事業が始められました。その結果、ミシマ柴胡、トウキ等10品種が有用薬用植物として選択され、平成3年度にミシマ柴胡について、農家への普及を目的として、単位面積10アール当たりの収量試作栽培を農協を通して農家の畑において実施しました。ミシマ柴胡の薬用植物は、収益性等から見て今後有望と考えられ、サトウキビに替わる基幹作物として県農業試験場において平成7年にミシマ柴胡の栽培技術の確立試験を行っています。

その農業試験場で栽培したミシマ柴胡を用いて、沖縄県の3つの土質で育成した柴胡の成分分析を行い、その結果良質の柴胡の分析値を得ました。柴胡は根を用いて使用し、その成分はサイコサポニンA・サイコサポニンC・サイコサポニンDの薬効成分があります。


柴胡の土質による成分分析結果

1年草のミシマ柴胡を用いて土質の違いによる成分含量の比較を示したのが下の図です。

 

柴胡の商品価値については、成分含量がある水準に達しているならば、根の形態的な特徴や収穫量が大きな評価を占めています。

製薬メーカーにおけるミシマ柴胡良品の指標は、次の11のチエックポイントが示されています。

 1.根の洗浄が充分である
 2.根の乾燥が充分である
 3.根頭部に茎の部分を残していない
 4.根毛は落ちているが、根側は残っている
 5.主根が長い
 6.色調が茶褐色である
 7.柔軟性をもち、たおやかである
 8.香りが強い
 9.形が整っている
10.サポニン含量が高い
11.脂肪酸系成分の含率が高い

県内の3つの土壌による成分分析の結果、総サポニン含量はジャーガル、国頭マージ、島尻マージの順にサポニン含量が高く検出され、ジャーガルがサポニンの成分含量を多く含んでいることがわかりました。

根の形態的な特徴は土壌条件を良く反映しており、ジャーガルは分岐した根が多く(タコ柴胡)となり、根の洗浄、乾燥等の調整作業もやや時間を要します。島尻マージは種子根伸長が良い状態で形態的及び大きさ共に一番優れています。国頭マージは両土壌の中間的な性質でした。

 

柴胡の土壌別根の形状の写真

根の形態は、3土壌中で島尻マージが伸長が良く主根が長く、他の土壌よりも勝っている傾向にあります。

ジャガル土壌は、分岐した根の多いタコ柴胡が多くみられます。

国頭マージ土壌は、島尻マージの根を小さくしたような形態です。

 

土質の種類による主根・側根のサポニン含量.

柴胡の根の主根と側根の部分に分けそれぞれのサポニン含量を比較したのが下のグラフです。

このグラフよりサイコサポニン含量は側根に多く含まれていることがわかります。

 


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